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努力が100%報われる世界は、本当に幸せか?心理学から見る「完全なる成果主義」の罠

思考実験シリーズ
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こんにちは!maroです。

最近運動不足解消のため、ジムに行き始めたのですが、
うん!頑張っても体重がなかなか減らない!!

結果が出てくるには時間がかかることは頭ではわかっているのですが、
すぐに結果がでないと、

「自分の頑張りは無駄なんじゃないか」

と考えてしまいますね。
そのときふと、

「もし、自分が頑張った分だけ、100%完璧に成果が出る世界があったら?」

自分の頑張りが100%報われるなら、モチベーションも続くんじゃないか!
と思いました。

なので今回は心理学の視点から、努力が必ず報われる世界になったら人の心理はどうなるのかを調査・考察してみたいと思います!

結論:「努力が100%報われる世界」は地獄?

努力が裏切られない世界は、一見すると誰もが報われる究極のユートピアに思えるかもしれません。

しかし、心理学の視点からこの世界を深く因数分解していくと、驚くべき、そして少し恐ろしい結論が見えてきます。

結論から言うと、
その世界は「今以上の地獄」になる可能性が極めて高いです。
ええ・・・。

この思考実験がはらむ問題点を、3つの心理学的アプローチから解説します。

成功の喜びを奪う「自己決定理論」と「アンダーマイン効果」

心理学者のエドワード・デシらが提唱した「自己決定理論」では、人間の幸福や高いモチベーションには「自律性」「有能感」「関係性」の3つの欲求が満たされることが不可欠だとされています。

自律性

他者から強制されているわけではなく、自分自身の意思で選択して行動したいという欲求です。

私ですと、大学生になって自由に授業を取れるようになったり、社会人になって自分で好きなものを買えたり食べたりできるようになったときに感じました。

有能感

自分自身の能力を発揮して、周りや社会などに働きかけたいという欲求です。

自分自身にしかできないことや得意分野などをやる時はモチベーションが高まるといった経験はありませんでしょうか。

関係性

他者と尊重し合い、認められたいという欲求です。

仕事などで上司や先輩に褒められた時に感じる、「認められて、会社(社会)に貢献している!!」
という感情です。

もし「努力=100%の成果」が世界の絶対的なルールになってしまったらどうなるでしょうか。

結果が最初からシステムとして保証されているため、人は「自分の力で困難を乗り越えた」という純粋な有能感を感じにくくなるでしょう。

さらに、外部のシステムによって結果がコントロールされている感覚が強まるため、内発的な動機づけ(純粋にそれが好きだからやる気持ち)が低下し、報酬のために行動させられている感覚に陥る「アンダーマイニング効果」が働くと推測できます。

結果として、何を達成しても「ただ決まったレールを歩いただけ」という虚無感に襲われることになる可能性が高いです。

生き地獄を生む「公正世界仮説」の暴走

心理学者メルビン・ラーナーが提唱した「公正世界仮説」という認知バイアスがあります。

「世界は人間の行いに対して公正であり、良いことには良い報いが、悪いことには悪い罰が下る」と信じたい人間の心理傾向です。

現実世界では、このバイアスが行き過ぎると「いじめられる側や、貧困に苦しむ人にも原因がある(自業自得だ)」という犠牲者非難を生み出します。

もし「努力が100%報われる世界」が現実になったら、このバイアスは「世界の真実」へと昇格します。

つまり、「成功していない人=1ミリも努力をしていない怠惰な人間」という強烈なレッテルが完全に正当化される世界が到来するのです。

現実世界であれば「運が悪かった」「環境のせいだ」と言い訳できたものが、その世界では一切通用しません。「結果が出ない=お前の人間性の敗北」となり、挫折した人の逃げ道が完全に塞がれる、極めて残酷な格差社会が誕生するかもしれません。

まさに、『東京喰種』の名言「この世の不利益は全て当人の能力不足」という考えが正当化される世界ということですね。

ドーパミンの罠:不確実性こそが快楽の源泉

脳科学および行動心理学の観点から見ると、人間が快楽物質である「ドーパミン」を最も多く分泌するのは、「結果が手に入った瞬間」ではなく、「結果がどうなるか分からない不確実な状態(50%の確率で手に入るかもしれない状態)」のときであるとされています。

これは行動分析学者B.F.スキナーの「間欠強化」の実験でも証明されています。

ボタンを押せば必ずエサが出る箱(確実性100%)よりも、ボタンを押すとランダムにエサが出る箱(不確実)のほうが、動物は執着し、何度もボタンを押し続けることがわかっています。

努力が100%報われる世界とは、ゲームで言えば「すべての攻撃が必ずクリティカルヒットし、絶対に負けない状態」です。
最初の数分は楽しいかもしれませんが、すぐに飽きてしまい、生きる喜びそのものが失われてしまうでしょう。

具体例:漫画のシーンから見る「不条理の必要性」と、ある思考実験

ここで、私たちが大好きなポップカルチャーの視点や、身近な例からこの現象をイメージしてみましょう。

漫画『名探偵コナン』に見る「不条理と、それに対峙する人間の価値」

では、このブログのもはや準レギュラーである『名探偵コナン』で考えてみましょう。

作中では、犯人たちが「どれだけ努力しても報われなかった、裏切られた」という不条理な動機(動機自体は身勝手なものも多いですが、彼らの視点では絶望)から犯行に及ぶケースが多々描かれます。

もし、この世界が「努力が100%報われる世界」だったらどうでしょうか。

動機となった悲劇(例えば、必死に守ろうとした会社が倒産した、愛する人を救うための研究が理不尽に打ち切られたなど)は発生せず、事件自体が起きないかもしれません。

一見平和ですが、主人公である江戸川コナン(工藤新一)が、圧倒的な不条理(黒ずくめの組織によって幼児化させられるという、努力とは無関係の理不尽)に対して、知恵を絞り、一歩一歩真実へ近づいていくあの人間の意志の美しさカタルシスは完全に消滅します。

不条理があるからこそ、それに立ち向かう人間の「選択」と「努力」に、私は強く心を揺さぶられているのかもしれません。

パチンコの信頼度変化

私自身たまにパチンコをすることがあるのですが、「信頼度」システムがまさにそうです。

パチンコには、設定や演出で大当たりの「信頼度」を知ることができます。
40%や60%、そして99%など多岐に渡りますが、
99%で確実に当たりやRushに突入するときよりも、
「50%」など「当たるかどうか分からない状況」で当たりのほうが遥かにドーパミンがでますね笑。

もちろん、50%などを外して嘆く機会も多いのですが・・・。

100%の成功が保証された世界は、ときに「ハラハラする楽しさ」を完全に奪い去ってしまいます。

まとめ:私たちは「不確実な世界」だからこそ、輝ける

今回の思考実験「努力が100%報われる世界は幸せか」を心理学的に掘り下げた結果、私の仮説とは異なる逆説的な真実でした。驚きです。

  • 100%の成果は、達成感(有能感)を麻痺させる
  • 逃げ道のない「究極の自業自得社会」を作り出す
  • 不確実性が消えることで、生きるワクワク感が喪失する

心理学の視点から考えると、「報われないかもしれない恐怖を抱えながらも、一歩を踏み出し、偶然手に入れた成果に感謝する」というプロセスそのものが、人間の幸福の核であるということになります。

思い通りにならない世界だからこそ、私たちの小さな成功には、何物にも代えがたい「価値」があると考えることが大切なのかもしれませんね!

というわけで私もジム頑張ります!ではまた!


【関連・参考資料】

  • Edward L. Deci & Richard M. Ryan (2000)The “What” and “Why” of Goal Pursuits: Human Needs and the Self-Determination of Behavior (自己決定理論に関する基礎文献)
  • Melvin J. Lerner (1980)The Belief in a Just World: A Fundamental Delusion (公正世界仮説についての古典的名著)

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