「人」と「世の中」の中身を覗ける漫画に出会った

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私は心理学に興味を持つようになり、普段の日常に限らず漫画やアニメ、ドラマなどでも
「なぜ相手はそんなことをしたのか」
と心の観点から作品を考察することが多いです。
そんな心理の面ですごくためになり、面白い作品に出会いました。

それが『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』です。

作品を紹介する前に突然ですが、質問です。

「自分の名前にいくらの値がつきますか」

何言ってんだこいつと思って離れないでください・・焦。
実はこれ、作中で実際に登場した質問です。

ぜひ皆さんも考えてみてください!
(自分の名前に値段なんてつけられない気持ちは一旦しまっていただいて・・)

考えましたか?
下に作中で話されていた答えを書きますのでまだの人は言うので気をつけてくださいね!

では、作中のケースではどうだったか?

答えは・・・・・・






2000円。

・・・・・・安っ!!!!!!

多くの皆さんがそう思ったのではないでしょうか。私も初めて読んだ時は驚きました。

なぜそんな端金(はしたがね)でエリート官僚が人を売るのか?その裏にある『恐ろしい錬金術』は、ぜひ漫画の1巻で確かめてみてください。知ると震えます。

作品紹介

気を取り直して作品の紹介を。
この作品は、世界的に有名な経済学者「加茂洋平」が、お金を騙し取る「詐欺」や「搾取」をする人に対して、行動経済学や心理学の知恵を駆使して「成敗」という名の「講義」をするお話です。

加茂教授は、「カモを見つけ、育て、そこからカネをむしり取る」今の経済を「カモリズム」と呼び、そんな「カモリズム社会」を「人と社会を知ること」で解き明かそうと日々研究しています。

あらすじ

天平大学に通う美咲は、実家の旅館のため経済学を学んでいました。
しかし、新型コロナの影響で旅館が経営難になり、
学費の負担を考え大学を辞めるかどうか悩んでいました。

そんな時、川沿いでホームレス生活をしている加茂教授と出会います。
しかし、美咲は目の前のみすぼらしい男が世界的な経済学者であるとは気づきません。
美咲の事情を聞いた加茂教授は、

加茂:「あす朝9時(加茂教授の)教授室に行ってみな」

と言います。
加茂教授は学生の間では「授業をしない変人」として知られており、ホームレスの男に言うことに疑問を持ちながらも翌日教授室に向かいます。

教授室に入ると髭を剃り、スーツに身を包んだ昨日のホームレス男が美咲を迎えます。
ホームレス男が加茂教授であることに驚く美咲に対して、

「経済学はカネを考える学問ではなく、人を考える学問である」
と美咲にいいます。そして、

「経済学は経済学者から学ぶものではなく、社会と庶民から学ぶもの」
ということで、加茂教授はホームレス生活を数ヶ月していたことを知ります。
噂に違わぬ変人ぶりに唖然としている美咲に対して、
加茂教授は早速話を聞きに行くよう伝えます。

「一体誰に?」
と困惑する美咲に対して、加茂教授はこう言います。

加茂教授:「カモられてるあなたのご両親に」

美咲の話を聞いた加茂教授は「カモリズム」の気配を感じたんですね。
美咲の両親はどのように「カモ」になっているのか。そして加茂教授がどう「成敗」するのか。教授と悪徳業者の戦いの幕が上がります。

心理学ブログが読み解く『カモネギ』の魅力

個人的な感想になりますが、この作品の魅力を語ります!

読者も楽しめる講義形式のストーリー

加茂教授は基本的に大学での講義をしません笑。
その代わり、毎回学生にある課題を出しています。
冒頭に紹介した、「自分の名前にいくらの値がつきますか」も学生への課題の1つです。
他にも、

  • 「年利100%でもいいから10万円借りたい人にあってみよう」
  • 「1万円の商品を5000円に値下げすれば売り上げは増えます。では、1万円の商品を2万円に値上げした上でなおかつ売り上げを倍以上にするにはどうすればよいか考えてみよう」
  • 「究極に初期リスクが低いビジネスを考えてみよう」

など幅広い視点からの課題があり、読者も一緒に考えてられるようになっています!
当時は面倒だった大学の講義も今では懐かしさを感じますね・・・。

世の中にある「あやしい話」の裏側を知れる

この作品では、いろいろなシチュエーションで「カモる人」と「カモられる人」が登場します。
「マルチ商法」、「給付金詐欺」、「マッチングアプリの悪用」、「大学運営」など世間で問題になった
出来事について、「どんな仕組みなのか」「誰が儲かるようになっているのか」を覗き見ることができます。

世の中の「ちょっと汚い裏側」を知れるのは好奇心がそそられますね!

人の心理を知ることができる

加茂教授の研究分野である「行動経済学」「心理学」の知見をもとに、
人間がとってしまう不合理的なプロセスを解明する学問であるため、心理学にも深い造詣があります。

作中でも「なぜ人はそのような行動をするのか」を解説する上で、さまざまな心理学の用語が登場します。私のブログで紹介している「サンクコスト効果」や「マズローの欲求階層」なども登場し、心理学に興味がある方も漫画で楽しみながら学ぶことができます!

「カモる人」の撃退が超鮮やか

私がこの作品の一番好きなところです!
これまで多くの人を「カモってきた」人たちを逆に加茂教授が「カモり返す」わけですが、
経済学者としての知恵と経験をフル動員し、相手の心理を完全に読み切った上で成敗するのがすっっごくスカッとします!!

頭脳バトル系の作品が好きな人は絶対に面白いと思います!!

『DEATH NOTE』の夜神月や、『よう実』の綾小路のような、圧倒的知能で相手をハメる快感が好きな人なら、間違いなくド真ん中の作品です。加茂教授の「カモ返し」は、彼ら以上に容赦がありません(笑)

自分自身を守る知識が詰まった1冊

ここまでの紹介で加茂教授、「あ、正義の味方が悪い奴を撃退するのか!」と思ったかもしれません。
実は、必ずしもそうではないように感じます。

彼にとって「カモる」人、「カモられる」人を「行動経済学の実験対象」と考えています。
「フィールドワーク」の一貫として、ホームレス生活をしたりあえて悪徳業者に騙されたふりをしてしまうほどの変人です・・。
最終的には、彼らを成敗しているので「超癖のあるヒーロー」といったかんじですかね。

そんな一味も二味もある経済学者が、詐欺師らを完全に翻弄して成敗する展開は、他の作品にはない痛快さがありますね。

SNSの副業募集や、マッチングアプリの甘い誘い……。もしあなたが一度でも「怪しい」と思ったことがあるなら、この本は最強の防衛策になります。2000円で売られないために、今すぐチェックしておくべき一冊です!

痛快なスカッと体験と行動経済学の世界を!

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