4回の転勤を通じて感じた、「2番目理論」

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4月になり新しい環境になった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
環境が変わる瞬間というのはいつも今後に対するワクワクと不安がありますよね。

ところで皆さんは新しい環境で最初にできたかつての友人と、今でも連絡をとっていますか?

私自身親が転勤族だったこともあり、環境が変わることがよくありました。
転勤を3回経験しており、3つの小学校を経験しています。

そこから中学、高校、大学、社会人と大きな環境の変化の節目を経て今に至りますが、これまでの経験を通して気づいた説があります。それが、

「2番目に仲良くなった友人とは長続きする説」

です。

そのままなのですが、私自身の交友関係を振り返ってみて、2番目に仲良くなった友人とは今でも連絡を取り続けているケースが多いことに気づいたんですよね。

これは偶然なのか、それとも何かしらの理由があるのか・・・。
心理の観点からこの現象について、ちょっと考察してみたいと思います。

今回は記憶に新しく、環境の変化も大きかった『大学入学時』のエピソードを例に振り返ってみます。

1番目の友人との出会いと結末

印象的な出来事として大学時代のときの話です。
私は大学入学時、新型コロナウイルスの影響で1年生の時から全て授業がリモートになってしまいました。

「初めての履修登録はどうやってやるんだ」
「授業の難易度についていけず単位落とさないか」
「貴重な大学生1年目なのでずっと家にいるのか」
など当時の情勢の影響もあり、新大学生活の始まりは不安が多かったです。
コロナがいつ収束するのか当時は分からなかったですからね。

とにかく「一人ぼっちを回避する」「情報を得る(課題やルールなど)」ために、同じ講義のワークで同じ班になった人や、ガイダンスなどの大学に行く限られた機会の時に席が近かった人に話しかけました。

おかげで、授業の連絡や諸々の共有できる友人ができましたが、環境に慣れるにつれて趣味や価値観のズレに気づき、自然とフェードアウトしていきました。結果としては久しぶりに会ったら挨拶する程度の関係性に落ち着きました。

2番目の友人との出会いと結末

2番目以降の友人は状況が少し異なっていきます。
1番目の友人のおかげで環境の最低限のルールがわかり、心に余裕が生まれている状態になっていきました。
周りを見渡す余裕や相手のことを知る機会が増えたことで、自分の趣味(好きな音楽、ゲーム、本など)が合う人や、波長が合う人を「選んで」声をかけるようになっていきました。

結果として、無理をしていないので居心地が良く、環境が変わった今でもよく一緒に遊ぶ友人となりました。

1番目と2番目の友人の「目的の違い」

大学時代の例をあげましたが、1番目の友人と2番目の友人とでは目的が明確に異なっています。

【1番目の友人:生存戦略のバディ】

【2番目の友人:自己表現と共鳴】

1番目の友人には「環境に適応するためのバディ」、2番目の友人には「その環境でより楽しく過ごしていくための相棒」という要素が強くなる傾向がありました。

心理学的観点からの考察

1番目の友人と2番目の友人に求めるものが異なっていた理由について、心理学の観点では以下が関係しています。

  • 親和欲求と不安
    人は不安や恐怖を感じている時ほど、誰かと一緒にいたい(親和欲求)と強く感じる傾向があります。新しい環境という「不安」が、1番目の友人作りを急がせた原因です。
  • 近接性の要因
    新しい環境に飛び込んだ初日、右も左も分からない状態の私たちは、とにかく「手っ取り早く安心感」を求めます。 そこで働くのが、「近接性の要因」です。 「物理的な距離が近い人と仲良くなりやすい」という法則。
    「1番目の友人」を作る段階では不安な心理状態であるため、教室の端から端まで「趣味が合う人」を探し歩く余裕はありません。まずは目の前にいる、一番話しかけやすい(=物理的に近い)人とペアになり、情報を共有しようとしています。
  • 類似性の法則
    1番目の友人のおかげで学校のルールや雰囲気が分かり、心に少し「余裕」が生まれると、私たちの視野は一気に広がります。 ここで発動するのが「類似性の法則」です。 これは、「自分と共通点がある人、似ている人に惹かれる」という法則。
    「あ、あの子も同じゲームやってる」「あそこ、同じバンドの話で盛り上がってるな」と、環境全体を見渡せるようになり、自分と同じ匂いのする人を“選んで”声をかけにいくようになります。 物理的な距離(席の近さなど)に関係なく、自分の内面と共鳴する相手を見つけるフェーズに入っています。
  • マズローの欲求5段階説
    人間の欲求はピラミッドのように5つの階層になっていて、「底辺の欲求(生きるため・安全でいるため)が満たされないと、上の欲求(自分らしくいたい・認められたい)には向かわない」という有名な心理学の理論です。
    まさに、
    1番目の友人=「安全の欲求」を満たすため
    2番目の友人=「社会的欲求・承認欲求」を満たすため
    の関係になっており、安全の欲求が満たされたことで、社会的欲求・承認欲求を満たす友人を作っています。

【まとめ】人間関係の変化は、「環境に適応した」サイン

ここまで「2番目に仲良くなった友人とは長続きする理論」について、心理学の視点を交えながら考察してきました。

私たちの友人作りは、一見ランダムに見えて、実は「その時の自分の心の状態」に強く影響されているのかもしれません。

1番目の友人は、未知の環境を共に生き抜く「戦友」

新しい環境に飛び込んだ直後の私たちは、強い不安の中にいます。だからこそ、心理的な安全や情報を確保するために、物理的に近い人や話しやすい人と素早く繋がろうとします。彼らのおかげで、私は不安から逃れ、その環境のルールを学び、適応することができました。

2番目の友人は、本来の自分を共有できる「心の友」

そして、1番目の友人のおかげで心に余裕が生まれた後、私たちはようやく「自分らしさ」を発揮し始めます。視野が広がり、趣味や価値観といった内面的な共鳴を基準に選んだ相手が、2番目の友人です。生存戦略ではなく「居心地の良さ」で結びついているからこそ、環境が変わっても関係が長く続くのはある意味必然と言えるかもしれませんね。

疎遠になることに、罪悪感はいらない

もし今、学生時代の「1番目の友人」と疎遠になってしまっていることに寂しさや罪悪感を感じている人がいたら、こう考えてみてください。

関係が薄れたのは、冷たくなったからでも、どちらかが悪いからでもありません。「新しい環境への適応」という初期ミッションが完了し、お互いが次のステップ(本来の自分らしい人間関係を築くフェーズ)へ進んだという、ポジティブなサインなのです。

「あの時、不安な私と一緒にいてくれてありがとう」と心の中で感謝しつつ、今も繋がってくれている2番目以降の友人たちとの時間を大切にする。

引越しや進学などで人間関係が移り変わることは、私たちが環境に適応し、自分らしく生きていくためのとても自然なプロセスなのかもしれませんね。

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