『SPY×FAMILY』で学ぶ!引くに引けない「サンクコスト」の罠

アニメでわかる

超一流スパイも、育児の「沼」にはハマる!?

「あー、これだけお金(時間)かけたんだから、今さらやめられないよ……!」
そんなふうに、自分でも「損だな」と分かっているのに、ズルズルと続けてしまった経験はありませんか?

この現象、心理学では「サンクコスト(埋没費用)効果」と呼ばれます。
この効果は、日常生活の中で非常に経験する心理現象の一つです。

「ソシャゲのガチャで課金したとき、目的のキャラを引くまでやめられない」
「途中まで進めたプロジェクトが、このままではよくないと感じつつもなかなか方針転換ができない」

このような心理現象がサンクコスト効果によるものです。

あの完璧超人、西国(ウェスタリス)一の凄腕スパイ・〈黄昏〉ことロイド・フォージャーでさえ、この罠にドハマりしているシーンがあるんです。

今回は、ロイドさんがアーニャの教育に必死すぎるシーンを例に、私たちがついついやってしまう「沼」の正体を、エレガントに(?)解説していきます!

サンクコスト効果とは

「サンクコスト」とは、直訳すると「沈んでしまった費用」。
「すでに支払ってしまい、どう頑張っても戻ってこないコスト(お金・時間・労力)」のことです。
この「もったいない!」という感情に引っ張られて、冷静な判断ができなくなることを「サンクコスト効果」と呼びます。

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まずは、今回の主役……というか「被害者」の紹介から!

『SPY×FAMILY』は、スパイのロイド、殺し屋のヨル、超能力者の娘アーニャが、互いに正体を隠して「仮初めの家族」になるホームコメディ。 ロイドさんの任務は、アーニャを名門イーデン校に入学させ、特待生(インペリアル・スカラー)にすること。……なのですが、自由奔放なアーニャを前に、冷静なスパイの仮面が剥がれ落ちていきます。そこのやりとりがまたこの作品の魅力の一つです!

それでは、ロイドさんの「サンクコスト沼」が炸裂した瞬間を見ていきましょう!

第一幕:試験対策で頭を抱える一流スパイ

舞台はフォージャー家のある日の日常。イーデン校の入試に向けてロイドがアーニャと試験対策をしている場面です。

ロイド:「休日は何をしていますか?」

アーニャ:「一人寂しくテレビを見てます」

続いて、ロイドはヨルさんにも面接対策の質問をします。

ロイド:「イーデン校への志望動機を教えてください」

ヨル:「(死亡動機?)えっと…出血多量とか?」

ロイド:「家庭での教育理念を教えてください」

ヨル:「先手必勝とか…」

これまでどんな任務も遂行してきたロイドですが、初めて挫折を味わい心が折れかけてしまうのです笑。

第二幕:もはや任務を超えた「引くに引けない」境地

しかし、ロイドは諦めません。
上級階級のしきたりを学ぶため、アーニャを舞台や美術館、豪華なレストランなどに連れて行きます。
一方でアーニャは舞台では途中で寝てしまったり、美術館で大騒ぎしたりある意味子どもらしい一面を見せています笑。

あまりの進歩のなさに、別の手段(プランB)を考えても仕方のないはず(実際の心の中では考えていました)。でもロイドさんは……、

ロイド:「(白目剥きながら)まあ準備の1%くらいは進んだと思うことにするか・・・」

とアーニャをイーデン校に入学させる超高難易度ミッションに挑む決意が滲み出ています。
ここには、「これまで頑張りを無駄にしたくない」という「サンクコスト効果」の心理効果が見え隠れしいますね。

なぜ、ロイドさんは「損切り」できないのか?

サンクコスト効果はなぜ起きるのか。 これには、人間の脳が「損失」を極端に嫌うようにできているからなんです。

鍵を握るのは「損失回避性」

人間には、「得をする喜びよりも、損をする痛みを2倍近く強く感じる」という性質があります。
これを「損失回避性」といいます。具体的で言うと、

1万円をもらう喜びよりも1万円を失う悲しみのほうが感情的には大きい
ということです。

ロイドさんにとって、「アーニャの教育を諦めること」は、単なる作戦変更ではありません。「これまで積み上げた努力をドブに捨てる」という、耐えがたい「損失」に感じられてしまうんですね。


日常にあふれる「もったいない」の罠

この「ロイドさん状態」、実は私たちの周りにもたくさん潜んでいます。

  • つまらない映画:「1,900円払ったし、最後まで観ないと損だよね……(結局、貴重な2時間も無駄にする)」
  • 行列に並ぶ:「もう30分並んだし、今さら離脱したら30分がムダになる……(結局、さらに1時間並ぶ)」
  • スマホゲームの課金:「欲しいキャラを完凸(主にゲームでキャラクターやアイテムの強化システムである「限界突破(凸)」を、上限まですること)するために今まで10万円使ったから、今やめたら10万円がもったいない……(結局、さらに課金する)」

これ、全部「サンクコスト」の仕業です。お、恐ろしい……!

※ちなみに全て私の実体験です。うぅ・・。

「ロイド化」を防ぐための3つの処方箋

「サンクコスト」の沼から抜け出すには、ロイドさんのように「任務のため!」と自分を追い込むのではなく、ちょっとしたコツが必要です。

①「過去」ではなく「未来」を見る

大事なのは「今までいくら使ったか」ではなく、「これから先、その行動を続けて自分は幸せになれるか?」という視点です。

②第三者の視点を入れる

当事者はどうしても熱くなってしまいます。ロイドさんも、モジャモジャ(フランキー)に色々とツッコまれることで、たまに正気に戻りますよね(笑)。

③「損切り」を自分へのご褒美にする

やめることを「負け」ではなく、「新しいことに使うための時間(お金)を取り戻した!」とポジティブに捉えましょう。

まとめ:サンクコスト効果は我々にもよく訪れる

サンクコスト効果とは、
「金銭や労力、時間を惜しんでしまい、将来損失が発生する可能性があったとしてもそれを継続してしまう」
という心理現象です。

これは私たちの日常生活の中でよく起きる心理現象であり、真面目で一生懸命な人ほどハマりやすい罠です。 もし皆さんが「引くに引けない……」と苦しくなったら、ロイドさんの必死な顔を思い出して、一息ついてみましょう。

自分より焦っている人を思い出すことで、逆に自分が落ち着くことができるかも!?

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