「毎日必死に働いているのに、なぜか心が置いてけぼりな気がする」
「SNSでキラキラしている同世代を見ると、焦りばかりが募る」
もし、あなたが『今の仕事に満足していないけれど、何が不満かさえ分からない』なら、それは心のピラミッドが崩れているサインかもしれません。
日常生活送っていると「正体のわからない不安」に襲われる経験をしたことはありませんか?
この「何か満たされない」感覚について、心理学の王道である「マズローの欲求階層説」を知ることで、より深く理解することができます。
この記事を読み終える頃には、あなたの人生の「現在地」と「次にすべきこと」が明確に見えてくるかと思います。
1. マズローの欲求階層説とは?「心の階段」を知ろう
マズローの欲求階層説(自己実現理論)とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した
「人間は、下の階層の欲求が満たされると、より高い階層の欲求を志すようになる」
という理論です。
よくピラミッドの図で表されますが、これは「心の階段」だと考えてください。一段ずつ登っていくもので、下の階層が満たされないと上の階層は満たされにくいという特徴があります。
↓5段階欲求のイメージ

1−2.欲求には「種類」がある
マズローは、下の4つを「欠乏欲求(足りないと苦しいもの)」、一番上を「成長欲求(自分を高めたいもの)」と分けました。私たちが感じる「満たされない感覚」は、この階層のどこかで目詰まりを起こしているサインなのです。
2. 5つの欲求について
各階層について、私たちが直面する具体的なシーンに置き換えて解説します。
2−1.第1段階:生理的欲求(Physiological needs)
「食いたい、寝たい、休みたい」という本能的な欲求です。
サービス残業続きで睡眠4時間、コンビニ飯ばかり。これでは、どんなに崇高な夢を持っていてもメンタルは崩れます。土台が腐っていては、家(人生)は建ちません。
2−2.第2段階:安全の欲求(Safety needs)
「健康、お金、住まい、雇用の安定」を求める欲求です。
「いつクビになるかわからない」「貯金がゼロで不安」「ブラックな職場環境」。身の安全が脅かされている状態では、次のステップである「人間関係」に目を向ける余裕すらなくなります。
2−3.第3段階:社会的欲求(Social needs)
「家族、友人、会社、コミュニティに受け入れられたい」という欲求です。
リモートワークで孤独を感じる、会社に馴染めない、恋人がいなくて寂しい。このような「所属感」の欠如で悩むケースです。
2−4.第4段階:承認欲求(Esteem needs)
「価値がある人間だと思われたい」「他人に尊敬されたい」という欲求です。
「上司に褒められたい」「SNSで『いいね』が欲しい」はこの段階になります。
また、マズロー曰く、承認欲求には「低い承認欲求」と「高い承認欲求」の2種類があります。
- 低い承認欲求:他人からの注目、賞賛、名声
- 高い承認欲求:自己信頼、自立性、自分自身による評価。
低い承認欲求は他人に依存してしまうことにより、「失う恐怖」が消えず満たされることはありません。マズローは、「他人からの評価を卒業し、自分自身を認める(自己承認)ステップへ進むこと」の大切さを説いています。
2−5.第5段階:自己実現欲求(Self-actualization)
「自分の持つ可能性を最大限に発揮したい」という欲求です。
「本当にやりたかった仕事に挑戦する」「損得抜きで夢中になれる趣味を持つ」など、他人の目は関係なく、内側から湧き出る「やりたい!」に従っている状態です。
さまざまな著名人が「自分らしく生きよう」「やりたいことを全力でやろう」と仰っていますが、マズローの5段階欲求の理論に基づいて考えるならば、前提として1〜4段階目が既に満たされていなければならないということになりますね。
3. なぜSNSでの「いいね稼ぎ」が流行るのか?
SNSが浸透している昨今において、より顕著に表れていると感じるのが「承認欲求」です。
「第4段階」にあたる承認欲求で述べましたが、承認欲求には「低い承認欲求」と「高い承認欲求」の2種類があります。
スマホを開けば同世代の成功が可視化される現代、私たちはついつい「他人からの評価」という低い承認欲求ばかりを追いかけがちです。
日本は世界的にみても治安がよく、職を選ばなければ、働いて生活することが比較的しやすい環境だと思われます。
つまり、マズローの欲求階層でいう第1〜第2段階がある程度満たされている状況ということですね。
そして、SNSでのいいね稼ぎや投稿というのは、
- 誰かと繋がっているという社会的欲求(第3段階)
- 他者に注目されたい(第4段階)
という、「第3段階と第4段階の両方の欲求を満たすことができる」ハイブリッドな行為であると考えられます。SNSでのいいね稼ぎはマズローの理論に基づけば合理的であり、人ならある意味自然の行為ということですね!
私自身SNSは好きでよく見ますが、よく承認欲求を過度に求めて炎上してまう投稿を見たときは
「まあ、人間だし承認欲求を求めたくなるよね」
くらいの感覚で捉えています。
このくらいの距離感で心に余裕が持ててちょうどいいかもしれません。
4. 人生をアップデートする「3つのステップ」
この理論をどう人生に活かすか。今日からできるアクションプランを提案します。
4−1.自分の「目詰まり」を特定する
まずは、今の自分がどの階層で苦戦しているか客観視してください。
- 体調が悪いなら「第1段階(生理的)」
- お金が不安なら「第2段階(安全)」
- 孤独なら「第3段階(社会的)」
まずは、「自分が今、何に飢えているか」を認めることから始まります。
4−2.下の階層から順に「おもてなし」する
「やりたいことが見つからない(第5:自己実現)」と悩む人の多くは、実は第1〜第2段階が満たされていないことが多いです。 睡眠不足で、栄養が偏り、不潔な部屋に住んでいては、高い志などを抱くことは難しいでしょう。まずは「ちゃんと寝て、ちゃんと食べる」。これが自己実現への最短ルートです。
4−3.「他者承認」から「自己承認」へシフトする
誰かに認められるための行動を、少しずつ「自分が納得するための行動」に変えていきましょう。 「SNSに載せるためのカフェ巡り」ではなく、「自分が本当に美味しいと思うコーヒー」を飲む。この小さな積み重ねが、第5段階(自己実現)への扉を開きます。
5.自己実現欲求を超えた先、「第6の階段」
一般的に知られているのは5段階になりますが、著書『人間性の最高価値』にて自己実現欲求のさらに上の「第6段階」の概念として「自己超越(Self-Transcendence)」を提唱しました。
第6の概念の主な特徴として以下があります。
- 多角的な思考ができ、物事を達観的に捉える
- 「自分のため」ではなく、「他者のため」に行動する
- 時間や場所を忘れるほど没頭する「至高体験」を日常的に体験する
この自己超越の領域に到達することができるのは、全人口の2%とマズローは推計しており、ほとんどの人にとって到達することが難しい領域であると言われています。
興味ある方はぜひ、書籍を手に取ってみてください!
6. まとめ:欲求は「汚いもの」ではなく「道しるべ」
マズローの欲求階層説を知ると、「自分は欲深い人間だ」とネガティブに捉えてしまいがちです。
しかし、そんなことはないと思っています。
欲求は、「もっと良い人生を送りたい」と願っている証拠であり、次に進むべき方向を指し示すコンパスです。
- まずは自分を整える(第1・2段階)
- 繋がりを大切にする(第3段階)
- 他人の目を卒業する(第4段階)
- そして、自分らしく生きる(第5段階)
- 他者に貢献する(第6段階)
一段ずつ、「心の階段」を、自分のペースで登っていきましょう!


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